KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2007年03月22日

なにごとも計画的に

某消費者金融のCMにもあるように、計画的にモノゴトに当たることは大切です。
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昨日、娘の卒業&中学合格祝いの目的で、東京ディズニーシーに行ってきました。
天気も良く、春休みと祝日が重なったこともあって、予想通りの大混雑。
感覚的には通常の日曜日の5割り増しといったところでしょうか。
実は、我が家では行楽、特にディズニーリゾートに出かける際には、しっかりと計画を立てるのが常になっています。
具体的には、食事(基本的に開門から閉門まで過ごすので3食分(笑))の場所、それを考慮したアトラクションの順番、ファストパスの取得タイミングといった1日のスケジュールを、娘と打合せながら決めていくのです。
そのためには、事前に公式Webサイトで開門時間、休止アトラクション、各ショーのスタート時間をチェックするのはもちろんのこと、それらに加えて各アトラクションの人気度なども、各種情報サイトや掲示板でリサーチしています。
さて、こうした話をすると、時々以下のようなリアクションをもらうことがあります。
  「その時の気分で行動した方が楽しくないですか?」


どうも、「遊びなんだから、計画に縛られてると楽しくないと思う」とお考えの方が多いような気がします。
もちろん、私は遊びにおいて「自由気ままに」というのを否定するつもりは毛頭ありません。
確かに、なんでもかんでも計画で縛ってしまうのは息が詰まるでしょう。
私とて、別に分単位のスケジュールを組んで「はい次はこれ。さっさと行くぞ」という感じで遊びたいとは思っていません。
しかし、「無計画なために楽しめない」場合が多いのも事実だと思うのです。
たとえば、昨日のディズニーシーでは、人気アトラクションは100分~120分待ちでした。確かに並んでいる時間も、期待感を高めるため、また同行者とのおしゃべりを楽しむために使えますし、ディズニーでは“行列で待っている間も飽きさせない”工夫もしてあります。
ですが、1日という限られた時間の中で、どれだけ多くのアトラクション(及びショー)を楽しむか、というのも遊びの充実度において大きな意味を持つはずです。
特に距離や経済的制約によって、そう何度も訪れることができない場所においては。
「大きなお世話」と言われれば返す言葉もありませんが、少しだけ計画的にファストパスを取得するだけで、120分の待ち時間が10分に短縮されるのです。結果的にこの空いた時間で別のアトラクションを楽しんだり、カフェでくつろいだりできるわけで、貧乏性の私としては、120分の列に並んでいる人々を見ると、「もったいない!」と思ってしまうのです。
さて、計画という作業の第一義は、確かに『効率(この場合は時間の短縮)』の追求です。しかし効率の追求が、結果的に『効果(この場合は楽しみの増大)』にも寄与するということを、我々はもう一度考えてみるべきでしょう。
しかし、こうした計画で忘れてはならないのが、「計画は手段であって目的ではない」ということです。
計画通りにモノゴトを進める(つまり計画を守る)ことが重要なのではなく、その結果モノゴトを効果的・効率的に進めることが重要なはずです。だから計画はあまりギチギチに作らないこと。多少の時間的余裕も織り込みながら柔軟に作り、実行の際も臨機応変に軌道修正することを是認する。これが大切です。
今回の我が家のディズニーシーの計画にしても、全てのアトラクションの順番を決めていたわけではなく、外せないもの(超人気のアトラクションや食事場所等)をいくつかマイルストーンとして設定し、あとはその場で判断するという形態でした。
そしてこうした“柔軟性を持った計画”は、我々の仕事においても必要なはずです。
プロジェクトマネジメントしかり、日々の仕事の優先順位づけしかり・・・
私はセミナーや研修で『Time & Priority(時間と優先順位のマネジメント)』というテーマでも講師を務めていますが、まだまだ効果的かつ効率的な仕事の進め方ができている方が少ないように思います。(だからこそニーズがあって呼んでいただけるわけですが…)
ぜひ、皆さんも自分なりの『仕事の計画』の仕方を考えてみてください。
まずは、遊びの計画からやってみてはいかがでしょう。
ところで、偉そうに「計画は手段であって目的ではない」などと言っている私ですが、実は“娘と一緒に計画を立てる”こと、そのものも結構(かなり)楽しいんですよねえ(笑)

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