ファカルティズ・コラム
2017年01月24日
コアコンピタンスを見極め、差別化する
ご無沙汰しております。
約1ヶ月ぶりのブログ更新。忙しさを理由にしてサボってました。
待ってた方がいるかどうかわかりませんが、2017年最初のエントリーをお届けします。
さて、本年一発目のテーマは「差別化」です。
このブログでは、何度も取り上げているテーマではありますが、この「差別化」、企業のマーケティング戦略であれ、個人のキャリア戦略であれ、とても重要です。
そして差別化でポイントとなるのが「コアコンピタンス」、要するに「自社/自分ならではの強み」です。
なぜ、コアコンピタンスが差別化のポイントなのか。
それは、それを最大限活用するのが、最も効果的・効率的に差別化を実現できるから、に他なりません。
たとえば他社にはない、自社が得意とする技術があったとして、それを活用しなければできない商品を開発し、それが売れたとしたら?
はい、他社は追随できませんから、これは強力な「差別化された商品」ですね。
つまり、「効果的」に差別化できたことになります。
また、元々持っている技術ですから、技術開発から行う時間とお金も必要としない。
これは「効率的」に差別化を実現したと言えます。
個人という視点では、コアコンピタンスは「特技」や「専門知識/スキル」の中にあり、それを最大限活用するのが、人材としての差別化に繋がります。
「これはあの人でないと」と、周囲が見てくれるわけですね。
とすると、ここで重要となるのが、「どうやって自社/自分のコアコンピタンスを見極めるか」です。
「ウチにはこの技術がある」「自分はこれが得意」と思うものを思いつきでひとつ特定しても、その技術がある他社、または同じようにそれが得意な人がたくさんいれば、それはコアコンピタンスでもなんでもありません。
だからコアコンピタンスを見極めるためには、以下のステップを踏む必要があります。
1.強みを列挙する
まずは自社/自分の強みを数多く挙げます。
ただ、思いつきでそれをやるとヌケモレが出やすいので、企業であれば「経営資源(ヒト/モノ/カネ/情報)」や「バリューチェーン」といったフレームワークで分けて考えましょう。
個人であれば、「心/技/体」に分け、さらに「技」を「知識/スキル」に分けて考えるのもオススメです。
ここで注意すべきなのが、「具体的に表現する」こと。たとえば「技術力」といった抽象的な表現でなく、「ミクロンレベルの微細な研磨技術」のように具体化しないと、「どう活かすか」が見えてこないからです。
2.強みをスクリーニングする
具体的な強みが認識できたら、その中で「どれが活かすべきコアコンピタンスか」を考えます。
もちろんこれも、思いつきで「これかな」と特定するのは考えもの。ロジカルに評価・選択するなら「VRIO」のフレームワークで、強みをふるいにかけましょう。
まずはV(Value)。顧客(個人の場合は役割分担するパートナー)から見て、その強みは価値があるか、を考えます。
たとえば前述の「ミクロンレベルの微細な研磨技術」などはここで「Good!」となって次の評価軸に進めるのですが、「離職率の低さ」などは顧客から見てどうでもいいことですから、この時点で「NG!」となってふるいから落ちます。
次にR(Rare)、要するに「価値はあっても希少価値かどうか」です。
競合する企業や個人も持っている強みであれば、それでは「自社/自分しかできない」差別化には繋がりません。
段々とハードルは上がります。「希少価値」と言えるまで絞り込んだ強みを、今度はI(Inimitable)、「真似されにくいかどうか」でチェックします。
企業の技術であれば、ここで「特許」がとれていれば、その時点で「OK!」となります。
また、真似しようと思えばできなくはないが、同じレベルまでいくには多大な時間やコストがかかるような強みも、十分に模倣困難な強みと言えるでしょう。
こうしてV,R,Iというふるいをくぐり抜けてきた強みを待ち受けるのが、最後のO(Organization)、「それを活かす組織になっているかどうか」です。個人の場合は「それを活かせる環境に自分はいるかどうか」と考えれば良いでしょう。
せっかくのコアコンピタンスも、それを活かす環境がなければ宝の持ち腐れです。だからこの指標も重要ですが、たとえここで「NG!」となっても、まだ救いは残されています。
企業であれば、活かす組織体制を新たに作ればいいし、個人であれば活かせる部署に異動したり、転職することも不可能ではありません。
さあ、ようやく自社と自分のコアコンピタンスが見えてきました。
では、それをどう活かし、企業として、あるいは個人として差別化するか。
…それを考えるのはあなたであり、あなたとあなたの仲間たちです。
年も改まったこの時期。
あなた個人の、そしてあなたの会社のコアコンピタンスをこのステップで見極めてみませんか?
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