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慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2020年04月14日

「意識的思考停止」のススメ

新型コロナウイルス。連日話題はこれ一色です。
私自身も在宅勤務となり、Zoomによるミーティングとそれに基づいた各種作業を自宅で行っています。
さて、皆さん。今の気分はいかがですか?
「気分がいいわけ無いだろうう!」
そんなお叱りの声が聞こえてきそうです。
・自分や家族が感染したらどうしよう… という恐怖心
・休業や自粛で、今の収入が維持できるだろうか? という不安感
・メディアの自称専門家の言説に対するイライラ感
・国の対策に「遅い!」とつぶやく焦燥感
多くの方が、様々なネガティブに感情に苛まれていることでしょう。
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しかし、ネガティブな感情に囚われ、イライラ、ギスギスしたり、在宅勤務も相まってそれがDVに発展してしまったら(実際に海外含め、DVの増加は報告されています)、それはコロナの引き起こすもうひとつの悲劇です。
そこでオススメしたいのが「意識的思考停止」です。
ポイントはもちろん「意識的」です。
・「~に決まってる」といった「決めつけ」
・「報道ステーションで言ってた」のような「鵜呑み」
・「わかるわけないでしょ?」という「思考放棄」
これらに代表される「無意識的思考停止」は問題です。私たちははっきり言って自分が思うほど「考えてない」、頭を使っていないのが現実です。
しかし時には、たとえば「やるべきことに集中する」「ストレスを排除する」、こうした状況においては、あえて意識的に思考停止することも必要です。
テレビを点ければコロナの話題一色。
それも危機感を煽るような内容ばかり。
自分のこともさることながら、タイヘンな思いをしている人に同情し、また自粛どこ吹く風と勝手な行動をする人に対して怒りを募らせる。
…で、そうしたマイナスの感情が、あなたとあなたの家族、そして会社や社会に何か良い影響を与えますか?
なーんにも良いことはないのではありませんか?
だったらそんな感情、捨ててしまったほうがいいと思いませんか?
コロナとその影響について「悩む」こと全てが悪いわけではありません。
少なくとも「無駄な悩み」はしない方が良い、私はそう考えます。
たとえば「巨大隕石が地球に衝突したらどうしよう」のような悩みは、もし起こってもどうしようもありませんから、それこそ悩んでも無駄です。
また、「今は」悩んでも仕方ないこともあるはずです。
だから私は以前から、悩みができたらこう考えるようにしています。
「悩んで答えが出たとして、自分がどうこうできる問題か?」
「本当に今、これについて悩んで答を出す必要があるのか?」
そして、
「悩んで、何かが良い方向に変わる可能性があるのか?」
これらすべてに「YES!」と答えられないとしたら、それはやはり「無駄な悩み」です。
それがわかれば後は簡単。
「よし、悩むのをやめよう」
こうして「意識的思考停止」を選択します。
「悩んでも仕方ないことを悩むな」と口で言うのは簡単ですが、私たちは感情の生き物。そう簡単にはいきません。
しかし、上記のステップで悩むべきか悩まざるべきかを線引きする。
これなら少しハードルは下がるはずです。
さあ、こんな時だからこそ、前を、上を向くためにも、この「意識的思考停止」を積極的に活用しましょう!

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