人と組織の世界観ゼミナール
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人と組織のリベラルアーツを学び自論を形成する
テクノロジーの急速な進展、激しく変化するビジネスモデル、さらには働く人の変化もあり、日本の人や組織に関するさまざまな施策や考え方は大きな変革を迫られています。経営や人事組織のプロフェッショナルとして、反射的に目の前の問題に対処療法するだけでは太刀打ちできません。このような時代だからこそ、経営や組織人事の専門分野における最新知見に直ちに正解を求めるのではなく、大きな視点で人と組織の「リベラルアーツ」とも言うべき社会科学や自然科学を学び、自論としての世界観を固める必要があるのです。
当ゼミナールでは、歴史や科学といった社会科学、自然科学の視点より、現段階でできる限り「事実」に近づいていると思われる重要な著作を読み込み、「事実に対して謙虚な姿勢」で、感想や考えを自身の言葉で語り、共有します。人と組織の根本問題という大きなテーマについて、幅広い知見から読み解き、自論を一歩ずつ固め形成していきます。
- 対象
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- 人と組織の分野におけるプロフェッショナルの方
- 組織マネジメントや経営全般の立場で、特に人と組織の問題に関心を持っている方
- 人と組織におけるリベラルアーツを学び、自らの世界観や自論を形成したい方
- 講師
- 開催形態
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対面(キャンパス)
- 日程・時間
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1 2 3 4 5 6 2024年
10/12
(土)
13:30-17:302024年
11/9
(土)
13:30-17:302024年
12/14
(土)
13:30-17:302025年
1/11
(土)
13:30-17:302025年
2/8
(土)
13:30-17:302025年
3/8
(土)
13:30-17:30
- 参加費
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198,000円(税込)
→ 割引制度・キャンセル規定
- 定員
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20名 (法人派遣は1社につき3名まで)
- 進め方
課題図書(必要に応じて参考図書)を読み、【討議課題】についてまとめたものを毎回事前に提出いただきます。課題はクラスで共有し、セッション当日は数名の方の発表をもとにグループ、クラスで議論します。
課題図書(各セッション2-3冊予定)は必要に応じて各自別途購入・読了ください。
- 修了基準
全セッションの参加と課題への取り組みを評価して認定
欠席の場合、事前課題の提出・指定期間内の録画映像視聴・レポート等の提出をもって参加とみなします。
SESSION
- SESSION 1
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グローバル観~世界の歴史と日本の位置づけ
先進国はなぜ先進国となり得ているのか、新世界や人類発祥の地アフリカは今現在なぜそうなり得ていないのか、日本はなぜ欧米諸国外で最も早く産業化できたのか。従来の先進国とは異なる政治社会システムを持つ新興国の発展は今後どうなるのか。世界の歴史を俯瞰し、今とこれからの日本の位置づけを考えていく。
課題図書
『銃・病原菌・鉄 上下』(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫)ほか
- SESSION 2
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日本観~日本の歴史と社会の特徴、その意味すること
日本はどのような特徴を持った社会として発展してきたのか、今の日本をつくったのはどんな人たちのどのような活動だったのか、日本人自身が持つ日本や日本人のイメージはどこまで正しいのか。日本の歴史より、社会の特徴、そしてその意味することを読み解く。
課題図書
『日本の歴史をよみなおす』(網野善彦著、筑摩書房ちくま学芸文庫)ほか
- SESSION 3
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組織観~日本の組織・リーダーシップの特徴とこれから
日本の組織の本質的な特異性とは何か、その特異性は何をもたらし、今何が問題となっているのか、日本の組織の多くはなぜ閉塞感を感じ、ブレークスルーをするために変えるべきことは何か。組織風土、意思決定メカニズムなどから、組織、リーダーシップのこれからについて考える。
課題図書
『タテ社会の人間関係』(中根千枝著、講談社現代新書)ほか
- SESSION 4
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人間観~人間のゲノムによる進化の理解と多様性の意味
人類の人類たる所以は何か、人の多様性とは何に由来し人種や民族とはどのような意味を持つのか、組織は人の多様性にどう向き合うべきか。人間の進化をゲノムまでたどり、多様性の持つ意味について議論する。
課題図書
『交雑する人類』(デイヴィッド・ライク著、NHK出版)ほか
- SESSION 5
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社会観~これからの社会、人と人の関係のあり方
これからの社会、人と人の関係はどうなっていくのか、資本主義、テクノロジーは人を幸せにするのか、どうすればそれらを人々にとって好ましい方向に進めることができるのだろうか。組織形成のあり方、人と人の関係性構築のあり方は今後どうなっていくべきなのかを考察する。
課題図書
『チョンキンマンションのボスは知っている』(小川さやか著、春秋社)ほか
- SESSION 6
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仕事観~仕事における価値観と経営のこれから
人はなぜ働くのか、仕事における価値観は経済発展とどう関係しているのか、経営者、ビジネスリーダーのあり方は社会とともにどのように変化してきているのか。経済活動における仕事観の歴史、経営者の価値観をふり返り、これからの働き方や経営のあり方を検討する。
課題図書
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ヴェーバー著、岩波書店)ほか
参加者アンケート
- ⽉1回のsession × 6回 2、3冊の課題図書で助かりました。適度な余⼒をもって臨めました。Sessionにストーリー性があったのも良かったです。課題図書も普段読むことのないものが選択されていて勉強になりました。プロ倫をきちんと理解したかったので良かったです。
- 組織開発、⼈材開発の背景にあるもの、すなわち「⼈間とは何か」「社会とは何か」を⽇常的に意識するきっかけとなりました。⽇々の課題や問題に対処する場合、なるべく俯瞰的な視点を持つことを意識していましたが、実は、そもそも「俯瞰的な視点とは何か」が漠然としていました。今回のプログラムを受講することで、その視点を持つきっかけを掴むことが出来たように感じています。
- 「今、起こっていることは、今、独⽴して起こっていることではない。必ず、その背景がある」ということを、事前課題と⾼橋先⽣の講義を通じて気づくことが出来ました。この気づきは、今後、組織開発、⼈材開発に取り組むうえで⾮常に⼤きな気づきになると感じています。組織開発や⼈材開発は、流⾏り廃りではなく「社会の底流」の変化を捉えたものでなければならないと深く認識するにいたりました。こうした気づきを与えていただいたことに感謝いたします。
- 歴史(それも近代史ではなく、ホモサピエンス・4⼤⽂明からの流れ)を踏まえて、今の社会を考える機会を得られたことは有意義でした。表⾯的な議論にならないが故に、⾃分の思考や視野の浅さがはっきり⾒えたことが良かったです。 ゲノム(1⽉)の回は、本を読んでいるときは、これがどこにつながるのか(どこに繋げればいいのか)と疑問符しかありませんでしたが(失礼なことを。すみません)、その話があったからこそ第5・6回の考えが深まりました。全ての回がそんな感じで、それがとても⾯⽩かったです。想定よりも、他社の状況が知ることができたのは知⾒を広める観点で有難かったです。
- 就職するときに「キャリアショック」の本を読んで、とても「ショック・刺激」を受けたのを覚えています。いつかこの⽅の話を直接聞いてみたい︕と想い、⽇々が過ぎて、今回の機会を得られたのは嬉しかったです。第⼀⼈者の、そして(⾔い⽅が適切ではなくすみませんが)頭の良い⽅の説明や意⾒を聞くことは、やっぱりワクワクしました。 そういう⽅に出会うと「どうしたら、そんな知⾒・視野に⽴つことができるだろう」「どうしたら少しでも近づけるんだろう」と思うのですが、⾼橋先⽣についても本当に思いました。毎回の講義の本のチョイスもさることながら、本の中で先⽣が着⽬されたポイントが毎回秀逸でした。その違いに(⾃分の思考の浅さ)に何度も凹みましたが、いい刺激になりました。6ヶ⽉間ありがとうございました。
- 6つの世界観から組織・⼈事に関係するリベラルアーツを厳選してカリキュラムが構成されており、⾃⾝の教養不⾜を実感するとともに、歴史や哲学を学ぶ意味を初めて理解できたような気がします。これまで、⾃分⾃⾝は実践の中で感じるものを考え⽅の基礎としてきたため、良い意味で⽬から鱗でした。 逆に、まだ消化不良で、今回の講義で得た観点を実務に⽣かせるかどうか⼿ごたえを感じることができていませんが、おそらく簡単に答えが出るものではなく、今回、学ぶことができた観点を⼟台としながら、⼤きな流れを捉えて、⽇々の組織⼈事や課題に⽣かすことが⼤切なのだろうと思っています。
- 読書の習慣がついていない私が、⾼橋先⽣が選んでくださった課題図書にふれるところからまず⼤きな学びでした。全てを時間内に消化出来なかったのですが、セッション当⽇に受講者の⽅々の発表を聴き、なるほどそういう⾒⽅があるのかと視野が広がり、その後の⾼橋先⽣の講義と問いかけに深く惹きこまれました。ちょうど組織の変⾰に関わっている時期であり、また私⾃⾝が⾃分のこれからの働き⽅を考えていた時でもあり、このタイミングで本ゼミナールに参加できたことを幸運に思いました。保⾕さんのサマリーメールと細やかなサポートに感謝です。ありがとうございました。
- 普段は自分に与えられた業務に専念することが多く、また読書も自分の趣味嗜好にあったものしか読まない中で、今回半強制的に本を読む、しかもある課題観を持って読むということの大切さを痛感するとと共に、人事・人材・組織の在り方を別の観点から考える機会を得たことはとても良かったと実感しています。そして物事を真正面からとらえるだけでなく、大局的かつ俯瞰的に見て考えることの大切さを学びました。更に毎回受講されている方々の資料を拝見して、自分とは全く異なる視点でとらえておられることやその深みのようなものも実感し、ダイバーシティ&インクルージョン、様々な意見を尊重することの重要性も体得することができ、とても有意義でした。
- 現在,経営戦略から,人材のあるべき姿を導き出し,人事戦略に落とし込む業務を担当していますが,本プログラムを受講したことで,戦略を立てるうえでは,世界の歴史や流れ,社会の向かう方向,価値観の変化など多様な視点から考えることが必要であることが理解でき,大変有益でした。
- 学んでいくうちに、企業⼈事のことより世界、社会全体の動きの⽅に興味が向きました。 企業は労働者のブラットフォームに、企業⼈事の役割は組織⼈材マネジメントからリソースのコーディネイトに。この半年を通した⾃分の考えの変化でした。 また資本主義社会の限界と不可逆な中で、将来の⾏く末に関して、恐れを感じること、またその中で⾃分は何が出来るのか、今後考えていきたいと思います。 半年という限られた期間でしたが、いろいろなことを考える良い機会となりました。本当に感謝いたします。
- 自分を取り巻く今の社会は、歴史、宗教、社会構造上必要だと思われた意図的な刷り込みが複雑に絡み合って形成されていることが分かりました。思い込んでいたことが異なることも多く、授業の度に学ぶ発見がありました。 繰り返される歴史の中で、過去から学ぶことが多く、歴史からひも解くことが楽しかったです。働く目的や人生観などを立ち止まって考えるきっかけを頂き、対比して読む本の楽しさも教えて頂きました。先生の知識量に感激し、参加されている方の視点の違いや問いの立て方も大変刺激を頂きました。
- 大変中身の濃い講座でした。テーマが壮大で一つ一つのセッションが深いので半年間圧倒されました。すなわち単なる読書会ではなく、高橋俊介先生ならではの視点と視座により、後半に近づくにつれて提示された課題図書の狙いや論点の絞り込方がよく分かるようになりました。壮大な歴史であってそこから抽出すべき史実や教訓を現代直面する問題に活かすところは、さすが高橋先生とあらためて敬服しましたし、先生の巧みなファシリテートに魅了されました。大変稀有なプログラムだと思います。この意味でも他のマネジメントスクールにはない稀有な講座であると思いました。課題図書に追われて参考図書まで読みこめなかったので、できれば再受講して理解をさらに深めることができたらと幸いです。受講生からも大いに刺激を受けました。
- リベラルアーツを主体としたビジネスプログラムというのは大変稀有で貴重な講座です。社会には数多くのマネジメントスクールがありますが、こうしたプログラムを私は聞いたことがありません。本プログラムが成立するには、テーマ全般に対する深い洞察と幅広い知見、かつプログラムを巧みにファシリテートする講師の力量が必要とされるからです。これらのスキルを高いレベルで持ち合わせているのは、高橋俊介先生以外に私は知りません。半年間大変勉強になりました。ありがとうございます。
- 私は⼈事部所属ではなく、営業の⼈間で、今回のグループ会社との統合の事務局となったことから、新会社の組織の在り⽅、⼈⼼の融合について「スキル」としての施策ではなく本質から考えたいと思い、本ゼミに参加しました。 また、学⽣時代に経済史を勉強した時に、読んだ本「⽂明の⽣態史観」「プロ倫」が課題であり、再読の機会になったのもありがたいことでした。学術的な意味での学びの質という点からは、不完全燃焼感がありますが、統合業務を考えていく上での⼟台はできたかと思っています。