夕学レポート
2009年03月23日
第12回 6/2(火) 原丈人さん
第12回 6/2(火)の講師は、 デフタパートナーズグループ会長の原丈人さんです。
慶應の法学部を卒業後、中央アメリカの考古学研究に従事するために渡米し、その資金獲得のためにスタンフォード大でMBAを取得し、ベンチャーキャピタルの世界に入ったという原さん。
ネット時代の到来を見越して、シリコンバレーのITベンチャーに投資し、大成功しました。
数年前からは、コンピューターによるITの限界を読み切って、ポストコンピュータ-によるネット社会のあり方とコンピューターに換わるネットワークツールを新たな基幹産業として育てようという活動をされています。
更に、最近ではソーシャルな活動に重点を移し、自らが開発したポストコンピュータ-のネットワーク技術を使って発展途上国の情報インフラを整備し、識字率、医療衛生状態の改善につなげようという社会的な取り組みに注力しています。
2007年に出版され、ベストセラーになった『21世紀の国富論』という本は、そんな原さんの想いの丈がつづられた素晴らしい本です。
アダム・スミスが元祖『国富論』を書いたのは、いまから230年前。
夕学に登壇された大阪大学の堂目先生によれば、スミスが主張したのは、市場経済万能主義による富める者中心の社会発展ではなく、道徳的な規範も合わせ持った、貧困なき社会の実現だったとのこと。
生き馬の目を抜くようなシリコンバレービジネスで成功してきた原さんが、いち早く見据えたのは、230年前にスミスが抱いた問題意識と同じだったのかもしれません。
演題は「公益資本主義と新基幹産業創生」
すぐに役立つ実践的な知識やスキルもよいですが、大上段から社会のあり方を問いかける原さんの講演も、是非多くの方に聴いて欲しいものです。
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