夕学レポート
2008年03月26日
第17回(7/1) 本田由紀さん
第17回(7/1)の講師は、東大大学院准教授の本田由紀先生です。
ニートに代表される若者の就業問題に対して、教育社会学の立場から、切れ味鋭い論評を発表してきた本田先生。
いまの若者には意欲がない、夢がない、辛抱が出来ない等々、大人にとって都合のよい指摘が蔓延している中で、「何が彼らをそうさせたのか」を、あくまでも客観的なデータに基づいて発言してきました。
本田先生は、ニート問題の背景に、日本が「ハイパーメリトクラシー」社会に入ったことをあげています。
学歴や知能指数といった測定可能な実績をもとに構成された実力主義を「メリトクラシー」といいますが、それに「ハイパー」という言葉が付く所以は、従来の実力主義に加えて、人間力、やる気、生きる力といった抽象的で、測定不能な能力が重視される傾向のことです。
これを「ハイパーメリトクラシー」と本田先生は呼んでいます。
重要だと叫ぶ側の人間でさえ、わかりやすく説明することができない、これらの曖昧な能力概念。
その存在が評価される側の若者を苦しめ、不安にさせ、あきらめや無気力を増長しているというわけです。
実務家の立場からは、「ひと言いたい!」と思われる方も多いと予想されるこの見解。
本田先生と建設的な議論ができればと思います。
登録
オススメ! 秋のagora講座
2024年12月7日(土)開講・全6回
小堀宗実家元に学ぶ
【綺麗さび、茶の湯と日本のこころ】
遠州流茶道13代家元とともに、総合芸術としての茶の湯、日本文化の美の魅力を心と身体で味わいます。
オススメ! 秋のagora講座
2024年11月18日(月)開講・全6回
古賀史健さんと考える【自分の海に潜る日記ワークショップ】
日記という自己理解ツールを入口に、日常を切り取る観察力、自分らしい文章表現力と継続力を鍛えます。
いつでも
どこでも
何度でも
お申し込みから7日間無料
夕学講演会のアーカイブ映像を中心としたウェブ学習サービスです。全コンテンツがオンデマンドで視聴可能です。
登録