夕学レポート
2007年10月11日
第23回(2/4)山口栄一さん
第23回(2/4)の講師は同志社大学ビジネススクール教授の山口栄一先生です。
長らくNTTの研究所で技術開発エンジニアとして活躍された経歴を持つ山口先生。
その立ち位置に依拠した「イノベーション論」の研究者として注目されています。
「イノベーション論」では、クリステンセンの「破壊的イノベーション論」がたいへん有名です。
クリステンセンは『イノベーションのジレンマ』をはじめとする三部作を通じて、「破壊的イノベーション」のメカニズムを明らかにしたと言われています。
山口先生は、クリステンセンが見逃した「パラダイム破壊」に言及した点において新たな視点に言及しました。
平たく言えば、技術の革新の前提に、そもそもの「モノの見方、考え方の枠組み」を破壊することこそが重要だということでしょうか。
また、山口先生は、3年前に起きたJR福知山線の脱線事故の発生メカニズムに、この論を敷衍した「JR福知山線事故の本質」という本も書かれました。
山口先生によれば、イノベーションは「知の創造」と「知の具現化」の連鎖で起こるとのこと。
新たな知を産み出すための組織とプロセスに関心にある方には、お奨めの講演です。
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