夕学レポート
2008年10月10日
第23回 1/30(金) 佐佐木幸綱さん
第23回(1/30)の講師は、歌人で早稲田大学教授の佐佐木幸綱先生です。
現代短歌の歌人として活躍し、朝日歌壇の選者も務める佐佐木先生。俵万智さんの師匠としても有名な方ですね。
一方で、研究者としては、万葉集など古代和歌を研究していらっしゃるそうです。
7月30日の夕学で藤原定家の血筋を引く冷泉貴美子さんに来ていただきました。
その時に古代和歌と近代短歌の違いについてお話されたのがたいへん印象に残っています。
曰く、短歌は自我を歌うもの、つまり「わたしの感情」を歌う主観的な世界である。それに対して和歌は、普遍性を歌うもの、つまり「あなたもわたしも」同じように理解し、感ずる美の共通世界を表現する。
ということでした。
歌人として短歌を作り、学者として和歌を研究する佐佐木先生は、この違いをどう捉え解釈されているのでしょうか。
今回の講演は、まさにこの違い(共通点)にフォーカスし、「万葉のうた、現代のうた」という演題でお話いただきます。
佐佐木先生の講演要旨によれば
「一つの詩型がこれほど長く生きつづけてきた例は世界的に見て珍しい。短歌で何がうたいたかったのか。短歌で何をうたってきたのか。古代和歌と近・現代短歌を読みながら、考えたいと思います。」
とあります。
31文字で綴られる「言葉の宇宙」に触れながら、うたに込めた古代と現代のこころを知ることが出来ればと思います。
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