夕学レポート
2008年10月14日
第24回 2/6(金) 堂目卓生さん
第24回(2/6)の講師は、大阪大学大学院教授の堂目卓生(どうめ たくお)先生です。
題して「アダム・スミス再訪」。
経済学を学んだことがない方でも、アダム・スミスと言えば「経済学の祖」=「国富論」 と政治経済や世界史の授業で習いましたね。
アダム・スミスが「国富論」で用いたという「神の見えざる手」という有名な比喩は、いま考えても卓越した表現で、市場が持つ天賦の調整メカニズムの存在をクリアにイメージさせます。
小泉さんの引退表明もあって、日本の構造改革派は少し元気がありませんが、市場主義、自由主義を標榜する人達にとって、自由な市場への信頼はいまも揺るぎありません。
それゆえに、口の悪い人に言わせると、「市場原理主義者の教祖」のような言われ方をするアダム・スミスですが、堂目先生によれば、本来はもっと深い意味であるとのこと。
アダム・スミスは「道徳感情論」の中で、人間や社会の倫理的側面を深く洞察しており、「神の見えざる手」という言葉は、人々が持つ心の総和としての均衡も意味しているそうです。
真の競争とは何か、人間の本質とは何か、にまで立ち戻って議論するに値する深淵な問い掛けがありそうです。
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