夕学レポート
2007年10月16日
第26回(2/15)松井孝典さん
第26回(2/15)最終回の講師は、東大大学院教授の松井孝典先生です。
※今期は特別の26回講演となっております!!
太陽系天体の起源と進化、宇宙における生命の起源と進化を専門に研究する松井先生。
NHKの『地球大紀行』など企画科学番組の出演などにも精力的です。
今回のタイトル「地球学的人間論」は、人間社会の営みを、宇宙や地球といった大きな枠組みに組み込まれた一つの構成要素として捉えるとどんな思考が成り立つのかという趣旨です。
宇宙は、150億年を超える時間と無限に拡大しつづける空間を持つ超巨大システムです。
地球は宇宙を構成するほんの小さな惑星に過ぎません。
人間は、その地球の歴史(40億年)において、ごく最近のわずかな期間に隆盛をみた存在です。
宇宙システムからみたら極小のサブシステムに過ぎない人間の営み。
環境問題、人口問題、など文明の存亡に関わる深刻な問題を考える時に、一番必要なのは、「宇宙規模の150億年の時空スケールで我々の存在を考える視点だ」と松井教授は言います。
直径0.1マイクロメートル(1ミリの一万分の一)もないウィルスが人間の身体を瞬く間に蝕むことがあるように、極小システムに過ぎない人間の営みが、地球システムに取り返しのつかない影響を与えようとしているのかもしれません。
「地球史の中で人間を考える」
そういう抽象的な思考をどこまで突き詰めることができるのか。
人間の真の叡智が試されています。
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