夕学レポート
2010年03月07日
4/28(水) 伊東乾さん
第5回 4/28(水)の講師は、東大大学院情報学環准教授の伊東乾先生です。
「どのような肩書きで掲示しましょうか」という私どもの問い掛けに対して、伊東先生は、東大准教授ではなく、「作曲家、指揮者、ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム藝術監督」と返答されました。
更に言うと、東大物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描いた『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で、第4回開高健ノンフィクション賞を受賞した作家でもあります。
最近では、テレビにも時折出演されて、コメンテーターとして鋭い論評を披露されています。
音楽、脳科学、生命情報学、身体運動科学等々、人間の右脳が司る感性的な活動を網羅する学際的な研究を専門にされています。
人間の脳や遺伝子については、その構造はほぼ解明されているものの、その機能・働きについては、まだよくわかっていないことが多いと言われています。
夕学でも、池谷裕二さん、村上和雄さんが、そのあたりを詳しくお話いただきました。
糖尿病患者に、「大学教授の講義」と「吉本の漫才」を交互に聴いてもらい、前後の血糖値の上昇具合を比較すると、お笑いが血糖値を下げるという効果があることが実証できたそうですから、音楽や笑いといった感性的な快楽が、人間の脳や遺伝子のどこかプラス効果として働いていることは間違いないでしょう。
伊東先生は、そんな芸術の効用を、基礎研究から環境設計・業務マネジメントまで、理論と実践の両方で追究している方です。
はたして、どんな「音楽の効用、笑いの効用」を紹介していただけるのか。楽しみな講演です。
この講演に関心をお寄せの方には、下記の講演もおすすめです。
・4/28 平田オリザさん 「芸術の効用」を違った切り口で紹介いただきます。
・7/13 柳家喬太郎さん 笑いの効用を理解したうえで、本物の落語を聴くのも一興
・7/23 種田陽平さん 映画美術にも、単なる状況設定を超えた効用があります。
・7/30 中村佳子さん 生命科学の知見を専門家から伺えます。
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