KEIO MCC

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夕学レポート

2013年09月04日

第6回 10/21(月) 高橋伸夫さん

第6回 10/21(月)に登壇いただくのは東大大学院教授の高橋伸夫先生です。
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高橋先生が『虚妄の成果主義』を世に問い、反成果主義の論を真っ正面から展開し、大反響を呼んでから10年近くになります。
その後も、成果主義の批判と日本型年功制の再評価に関して精力的な研究と啓蒙に取り組んで来られました。
この春に刊行された『殻 脱ジリ貧の経営』もその発展的線上に位置づけられる本だと思います。
さて、マックス・ウェーバーの『プロテスタントと資本主義の精神』(プロ倫)は、皆さんんよくご存じの古典的名著です。
ウェーバーはこの本で、西欧の近代資本主義の勃興・発展を可能にした勤勉・禁欲といった労働意識(精神)の根底にあるプロテスタンティズムの存在を指摘しました。
更に、彼はこの本の最後で「鉄の檻」という有名なメタファーを使って、資本主義が行く着く先にある世界をシニカルに予測しました。
神と直接繋がりたいという崇高な精神がもたらす勤勉・禁欲的な労働意識によって発展した資本主義は、やがて精神性を失い、金儲けが目的化するだろう。
そこでは、人々は組織と制度に縛られ、「鉄の檻」の如くに硬直下した官僚制組織に隷属していくことになるだろう、という予言です。
『殻 脱ジリ貧の経営』執筆の端緒は、-ウェーバーの「鉄の檻」は誤訳で、本来「殻」と訳すべきだった-という啓示にあったと、高橋先生は言います。
組織が誕生し、発展する過程では、外的から身を守る楯のようの役割を果たしてきた「殻」のようなものが、成熟期になると硬直化し、柔軟な変化や動きを抑制するマイナス効果をもたらす。それが高橋先生の言う「組織ジリ貧メカニズム」です。
今回の夕学では、多くの企業事例を紐解きながら、組織の発展と衰退のダイナミズムを論じていただきます。

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