KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2009年02月26日

テーマを持って取り組もう

研修やセミナーで演習、つまり学んだことを実践する場で私が伝えることがあります。
それが、「テーマを持って取り組んでください」ということ。
演習は単に「やればいい」ものではありません。
それでは演習から学ぶものは少なくなるからです。
講義で学んだ知識やスキルの中で、「特にこれを意識してやってみよう」と自分なりのテーマを設定して取り組む。
そしてそのテーマをちゃんと実践できたのか、また意識すると今までとは何が変わるのかを振り返る。
そこから自分自身の課題が見えてくるのです。
そしてこれは研修やセミナーだけの話ではないはずです。

そう、仕事においても全く同じ事が言えます。
仕事を単に「こなす」のと、「今日のこの仕事は、○○を意識しながらやってみよう」とテーマを持って取り組むのと、どちらが自分を成長させるか、考えるまでもないでしょう。
上記の○○には様々なテーマが考えられます。
「とにかくいかに短時間でできるか」をテーマとしても良いでしょう。
そうすれば仕事の効率化に繋がりますから、タイムマネジメントが上手になります。
また「この提案は徹底的にお客様の視点で作ってみよう」でも良いでしょう。
そうすればひとりよがりの提案にはならないはずですから、提案の質も向上するし、「ああ、お客様の上司の視点も必要だな」という新たな気づきも生まれてくるかもしれません。
他にも「ちょっと学んだロジックツリーで分けて考えてみるか」でも、「今日の商談はお客様の表情と声から感情を読み取ることを意識してみよう」というのもあるでしょう。
要はなんでも良いのです。
何かテーマを持って、それを意識しながら仕事に取り組んでみる。
そしてその後、
◆テーマは実践できたか?
◆それによって今までとは何が変わったか?
◆問題点や課題は何か?
を振り返って考えてみましょう。
様々な気づきがあるはずです。
その気づきはぜひ書き留めておきましょう。頭の中で考えるだけでは忘れてしまいます。
そして書き留めた課題は次のテーマとして実践しましょう。
これを繰り返していれば、半年もすればあなたは格段に進化しているはずです。
こうした日々のバージョンアツプが、人材としての差別化に繋がるのです。
最初は確かに面倒くさいでしょう。
しかし続けていれば、いずれ習慣化します。そうすれば「このプロセスを繰り返さない方が気持ちが悪い」ようになります。
また、毎日全ての仕事でやる必要もありません。
『週に一回』をまさにテーマにして実践しても構わないのです。
別に焦る必要はないのですから。
さらに言うと、仕事だけに限定する必要もありません。
このブログに書いているような私の領域で言えば、プライベートでのコミュニケーションや何か考える場面でもテーマ設定は可能です。
たとえば前回のエントリーのように、日常でロジックツリーを使って考えることもできるのですから。
まずは失敗しても影響が少ないところから、テーマを持って取り組んでみてはいかがでしょう。

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