ファカルティズ・コラム
2009年05月07日
継続的学習の選択肢としての“学習コミュニティ”
研修やセミナーでせっかく学んでも、「その場限り」ではもったいなさすぎます。
しかし誰しも忙しい身ですから、「わかってはいても・・・」になりがち。
ですからこのブログでは、何度も「学んだことを実務やプライベートで実践しましょう」と言ってきましたし、そのためのコツ(たとえば楽しんで実践したり、強引にスケジュールに組み込んだり)もお話ししてきました。
しかし、学んだことをその場限りにしないためには、「学んだことを実践し続ける」だけでなく、「継続的に学ぶ」こともまた重要です。
研修やセミナーをひとつのきっかけにして、次から次に新しいことを学び、実務に活かしていくことで、自分自身をバージョンアップしていくわけですね。
この継続的学習の手法として最も一般的なのは、やはり「本を読む」ということでしょう。
私も研修やセミナーのテキストでは、最後に推薦図書を挙げるようにしています。
書籍を使って復習したり、また研修やセミナーでは学ばなかったことを学ぶわけですね。
さて、本日はそうした「本を読む」以外の継続的学習の手法をひとつご紹介したいと思います。
それは、“学習コミュニティ”への参加です。
適切な言葉が見つからないので“学習コミュニティ”などと表現しましたが、要は各種の学会やNPOの研究会、勉強会などのことです。
学会というと何か専門家「だけ」の集まりと思いがちですが、確かにそうした団体もあるものの、多くは一般のビジネスパーソンにも門戸を広げています。
私も学会としては『コンピューター利用教育協議会(CIEC)』、そしてNPO法人である『日本ファシリテーション協会(FAJ)』に参加しています。
これらの学習コミュニティ、年会費は必要(数千円~1万円程度が主流)ですが、前述のFAJを例に取ると、一度年会費を納めて会員になってしまえば、ファシリテーションに関する情報が満載の会報も届きますし、毎月開催されている定例会にも無料で参加できます。
定例会の内容は、上記リンクで確認していただきたいのですが、毎回様々なテーマでの勉強会やワークショップが開催されていますので、研修やセミナー後の継続学習の場としてはかなりコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
また、そうした定例会や定例会後の懇親会では同じ問題意識を持つ仲間との交流ができますし、ビジネスの幅を広げる人脈も構築できます。
ひとりで学び続けるのはなかなか難しくても、そうした「学び合う仲間」が得られれば、モチベーションも確実に違ってきます。
ついでにひとつ宣伝をしておくと、FAJではこの5月23日(土)・24日(日)に、お台場で『ファシリテーションフォーラム2009』というイベントを開催します。
通常の定例会をさらに大規模に、そして非会員も含めた多くの方に門戸を広げたイベントとなっていますので、参加してみてはいかがでしょうか。
実はこうしたイベントは、FAJに限らず多くの学習コミュニティが年1回ペースで開催していますから、まずはそれに参加してみてから会員なるかどうかを検討するのがオススメです。
私事になりますが、私も5月24日のセッションに参加する予定です。
脱線ついでに・・・
先月のFAJの定例会、この『ファシリテーションフォーラム2009』のひとつのセッションである、家族内でのファシリテーションについて考える「パパはファシリテーター」のリハーサル・セッションに参加してきました。
これは法政大学キャリアデザイン学部の女子学生達10名が企画したセッションなのですが、なかなか楽しく、また日常の会議や部下の指導にも活かせる「気づき」が得られます。
ネタバレは避けますが、私は「相手に心を開かせて話をさせるための質問の仕方」について、今後の研修やセミナーでも使えそうな気づきを得ることが出来ました。
他にも面白そうなセッションが目白押しですので、皆さんと現地でお会いできれば幸いです。
話を戻しましょう。
さて、私が実際に参加しているFAJを例にとってお話ししてきましたが、こうした学習コミュニティは、様々な分野で存在します。
マーケティングや経営・事業戦略などの専門性の高いものから、思考力・コミュニケーションといったベーシックなビジネススキル系まで、ちょっとネットで検索すればいくつもヒットします。
関心のあるテーマのキーワードとともに、「学会」や「NPO」、また「研究会」「勉強会」といったワードをセットにして検索してみてください。
(こういう時はどんどんググって良いのですよ(笑))
中にはアヤシイ団体もあるでしょう。また殆ど活動していない有名無実の団体もあれば、大学の研究者に限定した団体もあります。
そうしてスクリーニングしていくつか見つけたら、
(1)年会費がリーズナブル(1万円以内)
(2)会員数が多く、会員のプロフィールが偏っていない
(3)定例会など活動の頻度が高く、ウェブサイトの更新も頻繁
を評価基準にして絞り込んでいきましょう。
学習コミュニティへの参加は、最初はちょっと敷居が高いと感じるかもしれません。
しかし既存の会員も、最初は同じように「おっかなびっくり定例会に参加する」ところからスタートしています。
まずは前述したように、目星をつけた団体のイベントに非会員の立場で参加し、「これなら大丈夫そうだな」と感じたら会員に、で良いのです。
継続的学習のひとつの選択肢として、一度は検討してみてはいかがでしょうか。
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