KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2007年07月21日

「とりあえず」から「まず」へ

以前のエントリーでも書きましたが、「とりあえず」というコトバがいつも口をついて出てくるというのは、広く・深く考えずに安易に解決策を求めようとするHow思考の表面化です。
確かに問題解決のスピードは重要なのですが、思いついた解決策や成功事例としての解決策に「とりあえず」と飛びついてしまっては、ダボハゼ型の問題解決になってしまいます。
さて、以上のことから本日はこう提案させていただきます。
 「とりあえず」をNGワードに設定し、「まず」と言ってみませんか?


しかし、この「とりあえず」と「まず」、言い方が違うだけで、結局は同じように思われるかもしれません。
ですが、私はこの2つのコトバ、根本的に発言する際の意識が違っていると思うのです。
「とりあえず」と言う時って、他のアイデアが無いのではありませんか?
ひとつ思いついた、または以前から知っていた。そして他のアイデアはまだ考えてなかったり、考えるつもりがそもそもなかったり・・・
そう言う時に出てくる言葉が「とりあえず」である場合が多いはずです。
それに対して「まず」と言う時は、他のアイデアもある場合が多いはずです。
これもあるしこれもある。そして手順としてはこうした方がいいと思っている。
つまり「次に」というのも自分の中では用意できているので、「まず」と言えるのです。
ですから私は単に、『「とりあえず」と言う代わりに「まず」と言う』ことを提案しているのではありません(笑)
重要なのは、「とりあえず」ではなく、「まず」と言えるようになるために“考える”ことです。
つまり安易に思いつきを口にするのではなく、ちゃんと考えてから提案しましょう。
そうすれば「まず」と言えますよ。
・・・と言いたいのです。
自分自身のルールとして「とりあえずと言わない」ことを課す。
こうした強引とも言えるくらいの縛りを入れないと、なかなか“良い考え方の習慣”ってつかないのです。
実はこのルール。
私が自分自身に課しているルールでもあります。
今でも100%守れているわけではありませんが、これによって随分と考える癖はついたように思います。
あ。でも「とりあえずビール」にはなんら問題ないと思いますよ(笑)

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