2016年07月01日
「音楽に思想を持ち込むな」VS「音楽はもともと反体制」
本日は、先週ネットで議論になっていたこの話題を取り上げます。
この議論、発端はあのSEALDsの奥田氏が、毎年恒例のロック・フェスティバルであるフジロックに出演するというニュースでした。
それに対して嫌悪感を抱いた人が、「音楽に思想を持ち込むな」、とTwitterでつぶやいたことから、議論に発展しました。
「音楽に思想を持ち込むな」派
「政治色を音楽に持ち込んだら終わりなんだよなぁ… せっかくレッチリとかillionが出る、個人的にすごく良いフェスなのにさ」
「音楽はもともと反体制」派
「音楽が基本反体制だということも知らない「善意の人々」とはこれは恐れ入った」
では、ここで「思考トレーニング」。
あなたがどちらの意見に賛同するかは「置いておいて」、どちらの意見にも反論してください。
では、私なりの考えを。単なるひとつのサンプルとしてご覧ください。
まずは「音楽に思想を持ち込むな」派に。
→ 好き嫌いは個人の自由。思想や政治色の強い音楽を「嫌い」と言う権利はあります。
→ ただ、思想を音楽に乗せて伝えようとするのも、これまた自由です。
→ そして「音楽に思想を持ち込んで何が悪い」と言うのも自由だから、反論を受けるのは仕方ありません。
→ たとえば、レストランで「なぜこの店にはこんなメニューがあるんだ!」と怒っても、その料理を「頼まなければいいじゃん」と言われてしまいますよね。
→ であれば、フェスでも同じで、好きなミュージシャンだけ観に行けばいいのではありませんか?
続いて、「音楽はもともと反体制」派に対して。
→ 確かに、このフェスは元から政治色はあったし、ウッドストックのような「フェスの元祖」も反戦運動から生まれましたよね。
→ また、フェスに限らず、ロックは若者の反抗が原点だし、ジャズやゴスペル、レゲエなども、体制からの抑圧への抵抗という側面があります。
→ とは言え、「全ての音楽」と十把一絡げで語るのは、明らかに誤解を招きます。
→ 「ロックはもともと」のように、言葉の定義をしっかりした方がいいです。
→ また、「反体制」というより「抑圧への抵抗」や「既存への疑問」の方が定義としては適切でしょうか。
→ パンクなども、明らかに既存のロックへのアンチテーゼですし。
いかがでしょう。
どちらの意見にも、「理」、つまりロジックはありますから、こうして双方に賛同/反論することは可能です。
そう、英国のEU離脱も、そして進撃の巨人の実写映画化(笑)も、世間からさんざん叩かれていても、そこには「理」があるのです。
だから「ニュートラルに認識し、論理的に考え、語る」。
これを私たちは実行すべきなのです。
ただこれ、口で言うのは簡単ですが、実際はなかなか難しいです。
私も、感情的に反論し、後で後悔したことが何度もあります。
だからこそ、まずは以下から意識すべきでしょう。
1. 脊髄反射的に賛同したり、反論するのでなく、一度受け止める。
2. そしてその意見が、「間違ってはいない」ことを認める。
3. その上で極力感情論を排除し、ロジカルに考える。
4. 考え始める前には、言葉の定義をしっかり行う。
5. 語る際には、相手を馬鹿にした表現をしない。
やはり、トレーニングしかありませんね。
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