ファカルティズ・コラム
2008年12月18日
大企業病の具体的症状
先日ある異業種2社合同での研修を行いました。
テーマは企画提案力の向上だったのですが、異業種交流型の研修ということで、2社のコラボレーションを経験することでどれだけ刺激を受けるか、自社の強みと弱みに気づくか、も研修の重要なねらいでした。
2日間に渡る研修の最後に振り返りを行いました。
●2社の従業員や風土の共通点は何か?
●2社の相違点は何か? それは何に起因するのか?
以上のポイントで考えていただいたのですが、なかなか興味深い意見が出てきました。
「沿革の違いもあって大事にするものが違う。それが微妙な考え方の違いとして出ていた」
「両社とも元はベンチャーということで、積極性や人当たりの良さは共通していた」
「ただ、もっと斬新な企画アウトプットが作れたはずで、両社ともにベンチャースピリットが薄れてきているのではないか? 大企業病に罹りつつあるのでは?」
そこで最後に私がお話しさせていただいたのが、
「3トリ症候群に気をつけましょう」
でした。
さて、大企業病の具体的症状である、この「3トリ症候群」。
読み方は「さんとりしょうこうぐん」ですが、もちろん某飲料メーカーとは何の関係もありません(笑)
実はこの3トリとは
◆トリあえず
◆トリいそぎ
◆トリつくろう
の意味なのです。
仕事はたくさんある。でも長年の蓄積でパターン化されているし、ルーティンワーク化しているものも多い。
そうすると、あまり広く・深く考えなくてもなんとかなってしまう。
大企業であれば責任も分散されているし。
ということで、
「とりあえずこんな感じでいいんじゃない?」
「他にもやることあるし、スピードも大事だから取り急ぎやってみました」
「まあ突っ込まれてもどうにでも取り繕えるよ」
という仕事のやり方が染みつき、蔓延してしまうのです。
まさに大企業病の典型的症状。
「仕事をこなす」ことに追われる大企業の方々が陥りやすい習慣と言えるでしょう。
皆さんも胸に手を当てて考えてみてください。
「とりあえず」ってよく言ってませんか?
「取り急ぎ」でやっつけ仕事になってませんか?
そのやっつけ仕事を、経験を生かしてうまく「取り繕って」いませんか?
3トリ症候群は確かにひとつの処世術かもしれません。
しかし、これは「目先がなんとかなれば良い」という思考の現れでもあると思うのです。
自分と組織の「未来」のために、少しずつでもこの悪習慣を変えていきませんか?
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