KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2021年05月11日

はて?私はいつ「リベラルアーツの頒布会」を申し込んでしまったのだろうか。

てつきち
製造会社勤務

クロシングは東京・丸の内の講演『夕学五十講』の映像をネットで視聴する学習サービスです。単発の講演視聴にとどまらず、複数の講演を題材に全国の会員でネットディスカッションを開催しています。


0.慶應MCC「夕学五十講」との出会い。

営業職である私は悩んでいた。ITがいつの間にかDXと呼ばれるようになるとともに、成績は横ばいから右肩下がりへ。自分自身と変わらない毎日への閉塞感。凝り固まって無難になってしまう発想と提案。「解」を求めて社内セミナーや外部講演に参加してみるもその時だけの満足感はあっても点の連続で線や面につながらず、明確な進むべき姿・答えをみつけることができないでいた。

そんな中、会社の掲示板に「夕学五十講」という慶應MCCの講演ポスターを目にした。その幅広い「旬な」演題テーマと講演者、会社が終わったあとの「夜の丸の内」と、それだけで賢くなりそうなシチュエーション、1テーマ2時間近い有料講演を1講演のみ会社が負担してくれるとの記載もあり、さっそく講演を申し込んでみた。(2014年画家山口晃さんの講演)。

それが慶應MCCとの出会い、そしてその後のクロシングのきっかけでした。

1.2016年7月 「クロシング」との出会い。

質の高い講演「夕学五十講」。1回の講演ではだんだん物足りなくなってきたものの、さすがに複数回の講演をリアルで行くことができず、そのような中、毎月3本の講演を自分ペースで好きな時間に視聴できる講座「クロシング」の存在を知り、2016年7月さっそく申し込んでみた。
クロシングで視聴できる「夕学五十講」の講演は約1年前のものから。しかし、セレクトされる講演そのもののは質と鮮度が高い講演になっていて過去の講演という違和感を感じることはまずない。

また毎月月初に発表される3講演は自分からは選べず、事務局側のテーマとセレクトで発信される。
自分で選べないところがポイントで、予期せぬ講演を通じて新たな「知」への出会いがあり、様々な「視点」や「視座」を学ぶことができる。講演者は、落語家、僧侶、教育者、大学教授、企業経営者、プロゲーマー、ピアニスト、書家、作家、元外交官、元アスリート、芸術家、タレント、ユーチューバー他。 講演テーマも組織論、コーチング、教育論、宇宙、政治、経済、脳科学、歴史、修験道、日本酒研究と多様。日頃関心のない分野であっても、質が高い講演なので、話にひきこまれ気づいたら最後まで視聴している。毎月の事務局側から共通項を導きだすための謎解きのお題「●●と〇〇のクロシング」と3講演が発表されると、こう来たか!(膝ぴしゃーん)とうなることや、「この講演、聞きたかったんだよね」とニヤリとすることがたびたびある。


(クリックするとクロシングサイトへ移動します)

2.「自学」と「他学」

お題と講演が発表になってから1~2週間で3講演を聞き、感想をコメントする。
第1 or 2水曜日 各自感想や気づきを持ち寄るWeb上でのリアルな場、「発見のディスカッション」が行われる(「答え合わせの時間」とひそかに呼んでいる)。
更にその1週間後、講演のテーマや「発見のディスカッション」の感想から、再び「お題」が出され身の回りの出来事と結び付けて感じた気づきを話あう「創発のディスカッション」が行われる。

ここが2つめのポイントで「クロシング」の「学び」は、講演の視聴を通じて新たな「知」を自ら学ぶ「自学」と全国にいる他の受講者とつながり、よそ様の視点から「気づき」を学ぶ「他学」の2側面があることに気づく。コメントされる方の感想や意見は、豊富な語彙力、博識で的確な洞察力で言語化されていて、さすがに自分の稚拙な感想を書き込んでいいものか躊躇があった。ところが実際にWEBディスカッションに参加してみて、語彙力の差こそあれ、案外同じ感想を抱いていることに気づき安心した。また「正解」や「模範解答」を出すことが目的でなく、同じ講演でも受け止め方に様々な「視点」があることに気づくことが大事で、一緒に考えることで講演での「学び」を日常の生活にあてはめ自分事化するきっかけにもなった。

3.クロシングは「修行」の場?

とはいえ、1か月に3講演視聴と2回のディスカッション。何事も継続して習慣化することは難しく、〆切である水曜日が近づくにつれ、通勤時での視聴、スターバックスでの視聴と毎度直前までの隙間時間の追い込みには今も苦労をする。てつきち式視聴スタイルは、体に染みついた「ノートをとれば勉強をした気になる陶酔主義者」のため、講演でのスライドを一字一句、LIFEのノートに書きこむスタイルで、2016年視聴開始より通算10冊目。ひたすらノートに刻み続け1回1時間半の講演視聴にその5倍の時間と労力をかけてしまっている。しかもそのノートが愛おしく捨てられない。「手段」の「目的化」の典型な駄目な例で2021年は効率化をテーマにノートに刻む学習法を切り替えていきたい。どうやって?
はて?他の皆さんがどのように視聴しているのでしょうか。

4.私見:記憶に残る名講演

それこそ「クロシング」に参加していなかったら出会うこともなかった記憶に残る名講演を書いてみたい。

1.冨山和彦氏 例:「日本はローカル経済で甦る」
→産業再生機構でJAL再生に携わった冨山氏の講演。日本再生の鍵は実は「Lの世界」に有り。

2.藤原和博氏 例:「正解のない問いに向かい合う力」
→リクルート→教育者の道を歩んだ藤原氏のこれからの時代の必要な力とは。かなり参考になります。

3.工藤勇一氏 例:「学校教育を本質から問い直す」
→こんな学校に出会いたかった。教育界の突然変異。無駄なことをはっきり無駄とやめる勇気が大事。

4.一條和生氏 例:「DX時代のリーダーシップ」
→IMDの授業を受けられる贅沢。100年に1回の大変革の中、どのようにして生き残るか。

5.出口治明氏 例:「これからの「学び」」
→シンプルに考えることの大切さ。「人・本・旅」で学び、別府の温泉で英気養って、「よっしゃ、あと10番上げたるで!」と自分に活を入れたくなる講演。

6.西野亮廣氏 例:「貯信時代のお金の作り方、使い方」
→賛否はともかく原稿を見ず話し続ける疾走感溢れる講演。「クラウドファンティング」の定義は目から鱗。

7.佐藤祐輔氏 例:「日本酒リノベーション」
→下戸の私が講演後、「No.9」を探しもとめることに。

8.佐藤優氏 例:「世界はどう変わるか」
→いんですか。そんな話ここでしちゃって。政治世界の掟「サード・パーティー・ルール」はビジネスでも必須

9.梅原大吾氏 例:「自分で決める人生」
→クロシングに出会わなかったら決して知ることのなかった日本人初のプロゲーマー。講演後、無性に「ストリートファイター」をやりたくなりました。

10.荒木香織 例:「ラグビー日本代表を変えたメンタルトレーニング」
→「スポーツの歴史を変えた一戦」RWC2015 日本vs南アフリカ戦。ラグビー日本代表のメンタルコーチとして多様性のある選手たちをどのようにしてマインドセットを行ったか。


(クリックするとクロシングサイトへ移動します)

5.兎にも角にも「クロシング」は罪である。

毎月、謎かけテーマと予期せぬラインナップで手元に届くクロシング。
最近私は心の中で「リベラルアーツの頒布会」と呼ぶことにしている。クロシングのおかげで世の中にはまだ知らない世界が沢山あることを知った。困ったことにそれを確かめたくて、下戸の私が、獺祭を買ったり、No.9を探しまわったり、毎朝カゴメ「野菜1日これ1本」を買い続けたり、オバジを家内にプレゼントして妙な顔をされたり、船佐の佃煮が欲しくなったり、八重洲ブックセンターの本の並びが気になったり、夜空に浮かぶオリオン座を毎日気にしたり、公園の鴨を見て「インフルエンザ!」と避けるようになったり、本当に大変です。当初の進むべき姿・答えを見つけるどころか、お金も別の意味で散財しています。どうしてくれようぞ・・・と歯ぎしりしつつ、また来月を楽しみにしている自分がここにいました。

 

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