KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2007年12月10日

生涯学習

石井利治
三菱UFJリース株式会社北陸支店 課長代理

冒頭から私事で恐縮ですが、私は来年2月に40歳を迎えます。まだ人生を振り返るような年齢ではないですが、大学を卒業するまでの22年間に対し、現在進行形でもある社会人生活が18年を重ね、今や自分の人生のほぼ半分を占めるようになっています。


その社会人生活をスタートして数年の間は、業務に必要な財務会計、法務、税務等の学習を進めてきましたが、総じて仕事に忙殺される日々が続き、自ら勉強しようというマインドが徐々に薄れてきました。30歳を過ぎてからはますます忙しくなり、「本当にこのままでいいのだろうか?」と疑問を抱くようになりながらも無策な状態が続いていました。そんな時にたまたま慶應MCCの広告を目にし、自分の仕事にプラスになることを期待して2004年7月に「会計情報から経営を読み解く(コアコース)」にエントリーしました。
受講する前は、座って講師の話を聞く「座学」をイメージしていました。しかし、実際は事前課題をセッション前に提出しなければならず、思わず音を上げました。また、議論が白熱するグループディスカッションも限られた時間の中で意見を纏めなければならず、タイムマネジメントの難しさを痛感したものです。初めは何もかもが戸惑いの連続でしたが、回数を重ねるにつれて慣れてきて、多少なりとも学ぶことの楽しさを感じるようになりました。
思い起こせば、自分が初めて学ぶことの楽しさを実感するようになったのは、大学の受験勉強が軌道に乗った高校3年の時でした。本格的に始める前は目を覆うような成績だったのが、進めていくうちに理解が深まるようになり、徐々に成績が上がり出したのです。そうなってくると更に勢いがつき、成績もアップするという相乗効果が生まれました。その甲斐があって大学は無事に現役合格し、「大学に入ったら高校時代に学んだ知識をもっと深めていきたい」という願望も出てきました。ただ、入学と同時に思うところがあって体育会(具体的に言うと空手)の門を叩いたため、勉強の優先順位は低いものとなってしまいました。今思えば、体育会と勉学との両立をしようとしなかった自分自身に問題が有ったのですが。
私の中で潜在的に宿っていた勉学の向上心は「会計情報―(コアコース)」が終了した頃に再び芽生えたような気がします。「もっと勉強すれば自分自身がスキルアップできるのでは?」「他の講座も受講すれば新しい発見があるのでは?」という欲が出てきました。その後は、2004年中に「リーダーシップ」「交渉学」、2005年に「会計情報―(アドバンスコース)」「意思決定」、2006年に「会計情報―(アドバンスコース)」「プレゼンテーション」「MOT」…と堰を切ったように受講しました。
今振り返ると、複数の講座は個々に見れば独立した領域の学問であっても、実際は繋がっている部分が多く、学んだことはすべて自分にとってプラスになるものであると思います。受講したものを十分に活かしきっていない点は多々ありますが、「慶應MCCで学んだことは今後の社会人生活(あるいは人生)で必ず役に立つ」ということは断言できます。以前に雑誌で、大学院を履修した有名スポーツ選手の「学問は裏切らない」というコメントを目にしましたが、それは慶應MCCを受講しても同じことが言えると思います。
ところで、私は今年2月に金沢へ転勤しました。金沢と東京の距離を考えると、慶應MCCへ足繁に通うことが困難なのは否めません。でも、勉強というのはすべて自分次第であり、志(こころざし)さえあれば出来るに違いありません。正直言って北陸地方の社会人教育の環境は都心に比べて非常に劣ります。しかし、勉学の場は決して慶應MCCだけではなく、勉強することはやり方次第で十分可能な筈です。むしろそのような環境で学ぶことによって、得るものもあると思います。
余談ながら、私は大学から始めた空手を社会人になってからも細々と続けており、曲がりなりにもこの年齢で大会に選手として試合出場しています。もっとも、自分自身のこだわりからシニア大会ではなく一般のオープン大会にエントリーしているものの、さすがに20歳代の選手と戦うことに体力的衰えを隠せず、「そろそろ引退の潮時かも?」等と頭をよぎったりすることが多くなりましたが…。ただ、18年間の社会人生活の中で転勤を何回か経験し、転居も伴いましたが、自宅の周辺の空手道場を見つけて練習に励み、その場所で大会に出ていました。空手と勉強はまったく異なるものですが、それでも自分自身の経験から「勉強の環境は自分で作ることができる」と信じています。
空手は「生涯武道」と言われる種目です。しかし、空手よりも、学ぶことこそが年齢に関係なくいつまでも出来るものです。私自身、これからも「生涯学習」を実践していくつもりです。 

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