学びの体験記
2010年04月13日
2%COOL
近藤キャリー
そうか、私は日本人の中で2%しかいない考えの持ち主のさらに一部の人間なので、今までの他者とのコミュニケーションで「なぜ?」と不思議に思う事が多かったのだ。
それを、『山田ズーニーさんとワークショップ【伝わる・揺さぶる!文章を書く】』の最終課題を書いて見つけた事を、大学院の恩師に話してやっと気づいた。
そして、98%の人が他者に何を求めているのかが見えたかもしれない。
私の最終課題のテーマは「自分で考えて、判断して、動く人生」、その題材としての「自由旅行」をターゲット設定した「受動的にしか動けない乙女」に向けてノウハウの文章として書いた。
ノウハウには失敗談が有効なので初めて自由旅行をする人が「失敗と思う」体験談とその効用を入れ、最終段落でまとめを書いていたら、ターゲットは「失敗」自体を体験したくないのでは!?と思い至り、この文章のニーズは想定していたターゲットよりずっと狭く「悩んであがいて出口を求めている乙女」だと思った。
そんな発見を、数々のチャレンジをしてチェッカーズなどのヒットを作ってきた恩師に、多くの人はチャレンジするより失敗するのが嫌なんですねと伝えた。
そうしたら、98%の人がそうだよと言われ、えっ!!そんなに大多数だったのか・・・と衝撃を受けた。
その上、思い返せばワークショップ二次会で、ズーニーさんが16年勤めた会社から次を決めずに退職したチャレンジの心境を「社会とのへその緒が切れた」と語った時に、同じく無職となって転職活動をした私がトンと感じなかったのは、ズーニーさんのような仕事との太い生命線を作れなかったのが1番で、さらにバブル時代の求人需要を加味していたとはいえ、失敗を考えてなかったからそう感じたと腑に落ちた。
そう、私は、行動力と根拠のあやふやな自信と希望を持つケセラセラ体質バブリーズ女子でもある。
じゃあ、私が、98%の失敗を恐れてチャレンジしない人になったら日本は良くなるのだろうか?
いや、良くならない。それに、そんな楽しくない分別を持ちたくもない。
では、これからもチャレンジしていこう。
そして、これは、私が若い世代へ贈る事のできるギフト。
この週末に、東京・神戸・福岡から親族の女性8人が、叔母の70歳の誕生日を祝うためにソウルに集結して、泣き笑いしたほど濃密で幸せな時間を過ごした。
その旅行中、あなたは転職して正解だったわねと言われた。
なぜ、転職を表明した当時、日本人としての王道の人生を歩む人の多い親族に、転職を賛成した人が1人もいなかったのかが手に取るように感じられた。
私は可能性に、親族は失敗に眼を向けていたのだ。
心配してくれたんだな。
自分と他者を両方とも理解できると反抗精神は湧かないものだとしみじみと思いつつ、ねぇ、多くの人はやりたい事より失敗しない事を選ぶのね、最近分かったよと語ると、最近分かったん!と突っ込まれた。
でも、「失敗」って誰にとっての、どんな定義?
旅行二日目、宿泊したレジデンスの30畳ほどのリビングで開催した旅行中とは思えない規模の叔母の誕生日パーティーの後で、従妹の高1になる娘に山田詠美さんの『ぼくは勉強ができない』と山田ズーニーさんの『伝わる・揺さぶる!文章を書く』を、最初に詠美さんで次にズーニーさんを読んでねと言ってプレゼントした。
高校生が、21世紀を生きるのに必要な意思を持つ大人になるための力を産み出す、ダブル山田バイブルだ。
10代の私には、自分の人生を楽しんでいない大人の言葉は心に留まらなかった。
なので、言葉だけでは意味がない。
だから、従妹3人と私達姉妹が企画運営をした旅行のこのタイミングなのだ。
はたして、ズーニーさんに受け止めてもらい、安心して自分にもぐり、汲み出したり汲み出されたりした自分の本意が彼女に伝わったかはわからない。伝わったとしても、高1でこんなにも面白い旅行に行ける幸運をどうするかは、彼女の自由。
自分にご褒美と言う発展性の無い満足モデルを捨てた私にできるのは、こんな大人げない大人の生き方もあると言う存在であるだけだ。
できるのは、振り返って過去の点と点を繋げることだけなんだ。
この言葉に涙があふれた。
私にとっての「失敗」は、自分が失敗と認識した瞬間に失敗になるだけだ。
霧がサーっと晴れて光が射した。
「リスク」の洗い出しと、「失敗」のイメージに捕われるのは、発想が真逆だ。
捕われずに進めるって、楽しい。
それに私は、セレンディピティに巡り会える。それは、リスクある可能性を選ぶ2%だから。
この2%の希少価値を付加価値にするには、98%に属する人を巻き込んだ時に、他者の「失敗」の定義を気にかけた上で覚悟が必要だと恩師の新刊『アイデアをカタチにする仕事術 ビジネスプロデューサーの7つの能力』を読みながら辿り着いた。
ズーニー先生、スタッフの今井さん、ズーニー1期生の皆さん、あの時間は私の宝物ですlove!
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