夕学レポート
2005年04月15日
“実感のはりついた知識”こそ本質 「スローキャリアのすすめ」高橋俊介さん
2005年前期の第一回目。
早々に満席マークがついて予約できなかった方も多数いると思います。本当にごめんなさい。
きょうの高橋先生の講演は、期待に違わぬ素晴らしいものでした。
夕学では2度目のご登壇ですが、高橋先生には、それ以外にも「人事プロフェッショナル養成講座」や「キャリアアドバイザー養成講座」で教壇に立ってもらっています。はじまる前に、高橋先生の講義を聴いた回数を指折り数えてみたら、なんと12回目でした。つくづく「役得だなぁ~」と思います。短い間に12回も聴けば、当然内容の重複はあるんですが、不思議なことに聴けば聴くほど納得感が高まるのです。きょうは、その理由を考えながらステージ横に座っていました。
高橋先生の話をお聴きになったことのある方ならおわかりだと思いますが、自分の言葉に置き換えた平易な理論説明と豊富な事例を、マシンガントークに乗っけて一気に語り尽くすあの話術は天下一品です。
でも、きっとそれだけが理由ではないんです。
自分の生き方・働き方を通して、強い共感と信念をもって理解したことしか話さないからではないでしょうか。いわば「実感のはりついた知識」なんですね。きょうの講演でも触れていましたが、高橋先生は、夏休みがはじまる前に宿題を終わらせる少年だったそうです。ワイアットの社長時代から、秘書は持たず雑用も全部自分でこなしてきたとのこと。その理由を動機理論に絡めて「自己管理」「徹底性」という動機が強いからだと解説してくれます。
実は、高橋先生今もそうなんです。講義を依頼すると、OKの返事の翌日には、当日の配布教材が届きます。何か問い合わせをしても、必ず期日前に返答が来ます。こんなに有り難い先生は滅多にいないんです。いつも、時間ピッタリまで、ひとりの聴衆も退席させることなく講義してさっとお帰りになります。
そんな人となりを知れば知るほど、話の内容に説得力を感じてきます。
「スローキャリア」は高橋先生自身のキャリア観の集大成なんですね。
ご自身のキャリアを語り、他の方のそれに共鳴し、響き合う中で概念が形づくられ、その概念を理論で補強し、具体的な事例に還元する。だから、何度聴いても面白い。そんな気がします。
講演内容そのものを知りたい方は、是非「スローキャリア」をお読みください。
それと、講演の中で何度もお名前の出た玄田有史先生には「仕事の中の曖昧な不安」という名著があります。こちらもおすすめです。
7/20には夕学にも登壇されますので、よろしければお越しください。
それではまたお会いしましょう。
講師紹介:https://www.sekigaku.net/member/detail.asp?NO=1&ID=247
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