KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

夕学レポート

2005年10月31日

企画の職人が持つ凄み くらたまなぶさん 「カラダ発想術」

くらたまなぶさんは、リクルート在籍の20年間、一貫して新規事業に携わってきた方です。創刊したメディアは全部で14。現在のリクルート28事業部のうち、半数の事業の立ち上げに関わったことになるそうです。その数もさることながら、その多くの事業が、現在の会社を支える看板事業に育っているという点が「伝説の創刊男」たる所以なのでしょうか。
「きょうは、私が20年間、家に帰らずに働きつづけて培ったノウハウを惜しみなくご紹介します。これを習得すれば、きっと皆さんは私のような苦労をせずに、人間らしい生活が送れますよ!」くらたさんは、そう話しながら講演をはじめましたが、その姿には、第一線の企画マンとして生き抜いてきたオーラや凄みを感じました。


まさに「企画の職人」といった感じでしょうか。話の中で、何度か「出来るまでやり続けるんです」という言葉が出たのに気づかれた方も多かったと思います。その言の通り、それこそ全身を使って絞り出すようにして紡ぎ出した結果が14メディアの創刊だったのかもしれません。きょうのレジュメにちりばめられた珠玉のことばの数々にも、トコトンまでやり続けた人にしか言えない迫力と説得力がありました。それを短い紙面の中で、浮ついた表現で再現することに気恥ずかしささえ感じてしまうので、ここでは具体的な紹介はやめておきます。幸い、ノウハウがぎっしり詰まったレジュメを配布できたので、是非ご活用ください。講演を聴くことができなかった方はくらたさんの新刊『カラダ発想術』を読んでみてください。
代わりに、控え室でのひとこまをご紹介します。
講演終了後、昔くらたさんと仕事上でお付き合いがあったという受講者が控え室を訪ねてこられました。その方は、かつて航空会社系列の旅行企画会社に勤めていたそうで、「エイビーロード」を創刊したばかりのくらたさんとよくお仕事をされていたそうです。
当時の思い出話を交わされる中で、「エイビーロード」創刊にあたって、くらたさんが、大手の航空会社や旅行代理店から猛烈なバッシングを受けたという話題になりました。「価格破壊を起こされてはたまらない」というのがその理由だったそうです。挨拶に行っても目の前で名刺を破られるような厳しい対応だったとのこと。そんな中で、その方の上司が、親会社(航空会社)の圧力をものともせずに、「エイビーロード」に特集を提供してくれたことが成功の一因になったそうです。上司曰く「いつかこれ(価格破壊)が当たり前になる、逃げてばかりいてもしょうがない」
なにやら、どこかで聞いた話のようですよね。
いつの時代も、イノベーターは既存の常識から激しい攻撃を受けるようです。その一方で、体制の中にも必ず支援者現れてくるのもまた真実なのかもしれません。
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