ピックアップレポート
2019年06月11日
高田 圭悟『ルール・オブ・スリー 「やるべきこと」は、ここまで絞れ』
みなさん、「ルール・オブ・スリー」という言葉を聞いたことがありますか?
百聞は一見にしかず。ここではルール・オブ・スリーを使って、
- ルール・オブ・スリーとは何か?
- 私のキャリアについて
- なぜこれを紹介したいと思ったのか?
という3つをポイントで書いてみようと思います。
①ルール・オブ・スリーとは何か?
ルール・オブ・スリーは直訳すると「3の法則」。考えを「3つ」で整理する、その考えを誰かに伝えるときも「3つ」で伝える、そんな極めてシンプルなコンセプトを表現する言葉です。
ルール・オブ・スリーは、仕事のあらゆる場面で活用できる思考法であり、コミュニケーション法でもあります。
さまざまな情報があふれ、複雑化した現代に立ち向かうための思考法というと、「論理思考(ロジカル・シンキング)」を思い浮かべる人が多いと思います。
物事のあらゆる側面をヌケ・モレなくとらえ、じっくり考え抜いたたうえで結論を出すことを目的とした論理思考はもちろん有効な思考手法です。その効果に疑問の余地はありません。
しかしながら、論理思考は万能ではありません。
たとえば、会議で意見を求められたとき、営業の場面でお客さまから投げかけられた質問に答えるとき、あるいは、プレゼンテーション後の質疑応答のときなど、時間をかけて考え、そのうえで答えることが許されないケース、つまり、論理思考を使いたくても使えない場面がたくさんあります。
むしろビジネスにおいては、「素早く」考えを整理し、その考えを相手に「明確に」伝えていくことが求められる場面がほとんどなのです。
そんな場面で役立つのが、思考の「スピード」と「質」を上げるためのツール――「ルール・オブ・スリー」です。
3つで考える。そして3つで伝える。ただこれだけですが、その効果は絶大です。
プレゼンテーションの手本としてよく引き合いに出されるスティーブ・ジョブズも、多くのスピーチにおいて、ルール・オブ・スリーを使っていました。要点を3つに絞ることで、わかりやすく、なおかつインパクトのある形で考えを整理し、発信することができます。
また、プレゼンだけでなく、「ルール・オブ・スリー」は、営業や交渉、企画立案、マネジメント……など、あらゆるビジネスシーンで使える手法なのです。
②私のキャリアについて
私は、人財開発コンサルタント、そしてビジネスコーチとして活動しています。その中心となるのが研修講師としての仕事で、研修を通して、ビジネスパーソンの方々にコミュニケーションや対人関係についての考え方やスキルをお伝えしています。
私が行なう研修のひとつに、カナダで開発された「THINK ON YOUR FEET®」というプログラムがあります。「THINK ON YOUR FEET」とは「即興で考えを整理し、発信する」という意味の英熟語であり、その手法を習得するのがこのプログラムの目的です。
そして、じつは、このプログラムのベースになっているのがルール・オブ・スリーなのです。
「THINK ON YOUR FEET®」の認定トレーナーになって10年以上が経過し、私はこれまでに数千人の方々にこのプログラムを提供してきました。
その間、この研修を受けるまでは、「考えをうまく整理できない」「相手に何がいいたいのかわからないといわれることがある」というような悩みを抱えていた方が、ルール・オブ・スリーを知ることでその悩みを一気に解決するためのヒントをつかみます。そして、笑顔で会場をあとにする姿をたくさん見てきました。
ルール・オブ・スリーを理解し、そのちょっとしたコツを知りさえすれば、誰でも、すばやく、的確に考えを整理できるようになり、また、その考えをうまく伝えられるようになります。
③なぜこれを紹介したいと思ったのか?
私たち日本人は、「モノづくり」はとても上手だが、「モノがたり」はそれほどうまくないといわれることがあります。
これはとても残念ですし、もったいないことだと思っています。実現できれば莫大な利益を生み出すアイデアを持っていたとしても、そのアイデアを明確に、また、インパクトのある形で伝えることができなければ、宝の持ち腐れです。
ひとつ確信を持っていえるのは、多くの人が、いい考え、いいアイデアそのものは持っている、ということです。そうであるならば、そのいい考え、いいアイデアをもっと上手に整理し、よりわかりやすく、さらに魅力的に伝えられるようになることを目指すべきです。
それを可能にするためのヒントを多くの人に伝えたい――そんな想いから著書『ルール・オブ・スリー 「やるべきこと」は、ここまで絞れ』を書こうと思い立ったのです。
いい思考ができるようになると、必ずいいコミュニケーションが取れるようになります。「コミュニケーション能力が高い人の年収は、そうでない人の年収の1.85倍である」というハーバード大学の研究結果が示すように、いい思考をし、そのうえでコミュニケーションがうまく取れると、仕事の結果が変わります。成果が上がります。仕事の成果が上がれば、人生がますます充実し、楽しくなります。
そのための一助として、ルール・オブ・スリーを活用していただけたら、これほど嬉しいことはありません。
『ルール・オブ・スリー 「やるべきこと」は、ここまで絞れ』の「はじめに」を著者・出版社の許可を得て抜粋・編集しました。無断転載を禁じます。
- 高田 圭悟(たかだ・けいご)
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- 慶應MCC客員コンサルタント
- 株式会社プレイフル代表取締役
- 中央大学客員講師(海外インターンシップ・企業派遣コース担当中)
- 『プレ・マネジメント』講師
- 英国ウォルヴァーハンプトン大学大学院卒(MBA)。インフィニトラベルインフォメーションではシステム開発のプロジェクトを担当。その後、マーケティングリサーチ会社、ラーニングマスターズの研修開発・講師を経て独立。中央大学客員講師(海外インターンシップ・企業派遣コース担当中)。マネジメント、コミュニケーション、EQ、リーダーシップ等の研修講師、さらにアセッサーとして企業内研修等で活躍中。
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