KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

私をつくった一冊

2021年10月12日

宮城まり子(臨床心理士)

慶應MCCにご登壇いただいている先生に、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。講師プロフィールとはちょっと違った角度から先生方をご紹介します。

宮城まり子

宮城まり子(みやぎ・まりこ)
  • キャリア心理学研究所 代表
  • 臨床心理士

慶應MCC担当プログラム
  • agora講座

1.私(先生)をつくった一冊をご紹介ください


心に迫るパウロの言葉』新潮文庫
曽野綾子(著)
1989年4月

2.どのような内容ですか?

キリストの亡きあと、パウロは回心しキリスト教信徒となりキリスト教の伝道に人生を捧げました。パウロは伝道と自身の心の想いを数々の書簡(パウロ書簡)として残しています。そのパウロの伝道の様子と書簡をもとに曽野綾子氏が単行本に整理し、一般の誰にでも分かりやすく書き下ろしたのがこの一冊です。

3.その本には、いつ、どのように出会いましたか?

私は中・高校生の時にミッション・スクールで学びましたが、当時はまだ若くキリスト教の教えを理解し深く捉えることはできませんでした。しかし、人生を重ね40代半ばになり人生の壁に悩んだ時に、再度キリスト教を学びたいという気持ちになり、手に取ったのがこの一冊です。

4.それは先生にとってどんな出会いでしたか?

自分の力ではどうにもならない閉塞感や行き詰まりを感じて悩んでいた頃、遠藤周作や曽野綾子の著作を読む中でこの本に出会いました。パウロの言葉に癒され、感動し新たな生きるエネルギーを得て、以来何度も何度も繰り返し読む一冊になりました。今では私の考え方の源泉となっています。

5.この本をおすすめするとしたら?

生き方に迷い方向性を見失った時、閉塞感の中で存在の意味を見出せない時などに一読をお勧めします。決してキリスト教の本であるという先入観なしに、気軽に手に取り読める本です。パウロの言葉からきっと生き方の深いヒントに出会えるでしょう。


宮城まり子

宮城 まり子(みやぎ・まりこ)
  • キャリア心理学研究所 代表
  • 臨床心理士

慶應MCC担当プログラム
  • agora講座

慶應義塾大学文学部心理学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了、臨床心理士として病院臨床(精神科・心療内科・小児科)、教育研究所研究員などを経て、産能大学経営情報学部助教授となる。1997年よりカリフォルニア州立大学大学院教育学部カウンセラー教育学研究科に研究留学、キャリアカウンセリングを中心に研究。立正大学心理学部臨床心理学科教授、法政大学キャリアデザイン学部、大学院キャリアデザイン学研究科教授を経て、現在は臨床心理士、キャリア心理学研究所代表。専門は、臨床心理学、生涯発達心理学、産業心理学、キャリア心理学。
現在、日本キャリアカウンセリング学会名誉会長をつとめる。企業における社員のメンタルとキャリアに関わる相談室の臨床心理士として臨床活動に携わると同時に、講演、教育研修、キャリアカウンセラーの養成、スーパービジョン、働く人のメンタルヘルスとキャリアの統合的支援の研究に力を注いでいる。
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